たくさんの人の想いが集まり、今年も夏の風景が完成しました。
今年で10周年を迎えた「夢風鈴」。千年の歴史を受け継ぐ神代和紙の魅力を、一人でも多くの方に知っていただきたい。そして、日本の原風景ともいえる里山の夏を感じてもらいたい――そんな想いから始まったこのイベントも、多くの皆さまに支えられながら節目の年を迎えることができました。
今年も会場となる夢すき公園には、約2,000枚の神代和紙の短冊と100個の風鈴を飾り付けました。設営には、地域の皆さんだけでなく、総務省「ふるさとミライカレッジ」に参加する皆さんや、専門演習「神代地域学習」として来てくれた大学院生、さらに神代和紙を使ったアクセサリー作家さん、さらに地域住民の方々にご協力いただきました。県内だけでなく東京からも集まってくれた皆さんが「神代和紙」という地域の宝に興味を持ち、この場所で一緒に汗を流してくださったことを、とても嬉しく思います。

設置した8月日1日は朝から厳しい暑さでしたが、少しでも気温が上がる前にと、全員で協力しながら午前中に設営を終えました。風鈴を吊るし、一枚一枚の短冊を結び付ける作業は決して簡単ではありません。しかし、「ここをもう少しきれいに見せよう」「風鈴の高さをそろえよう」と声を掛け合いながら進める時間は、とても心地よく、イベントをみんなでつくり上げる喜びにあふれていました。


夢すき公園を吹き抜ける風が神代和紙の短冊をやさしく揺らし、風鈴が「チリン、チリン」と澄んだ音色を響かせます。その音色は、どこか懐かしく、忙しい毎日を少しだけ忘れさせてくれるようです。園内では、日本一の親子孫水車がゆっくりと回り続け、里山ならではの穏やかな時間が流れています。昔から変わらない田園風景の中で、風に揺れる和紙と風鈴の音色が織りなす景色は、この季節だけの特別な風景です。
今年は10周年という節目の年だからこそ、改めて感じたことがあります。このイベントは、神代和紙だけでつくられているのではありません。地域の皆さんの力、遠くから駆け付けてくださる皆さんの学びへの熱意、ものづくりに携わる作家さんの感性、そして訪れてくださる皆さんの笑顔。その一つひとつの想いが重なり合って、「夢風鈴」という夏の風景が生まれています。
厳しい暑さが続く毎日ですが、夢すき公園には、ほんの少しだけ時間がゆっくり流れています。
風が吹けば、神代和紙が揺れる。
風鈴が鳴る。
水車が静かに回る。
そんな日本の夏らしい風景を、ぜひ感じにお越しください。




