一年でいちばん寒さが厳しいこの時期。実は、紙漉きにとっては“最高の季節”です。
水車のツララがいかに寒いか物語っていますね。

神代和紙保存会では、古来より伝わる製紙方法を守りながら、今も一枚一枚、手仕事で紙を漉いています。紙漉きに欠かせない「ネリ」は、トロロアオイの根から抽出したもの。これが温かくなると効きが弱くなってしまうため、冷え込みの厳しい今こそが、良い紙を生むベストシーズンなのです。
良質な和紙づくりに欠かせないのが、繊維に混ざった小さな黒皮を手で取り除く「塵より」という作業。冷たい水に手を入れ、根気よく行うこの作業も、今はフル回転です。
そんな大変な作業を、紙の館の近所の方々が、散歩がてら気軽に手伝ってくださっています。少しずつ仲間が増え、いつの間にか頼もしい「塵より隊」に。心強さもひとしおです。




作業の合間のおやつタイムも、この時期の楽しみのひとつ。
手づくりの甘酒や、体が温まるゆず茶、持ち寄りのお菓子が並び、自然と会話も弾みます。「この時間が楽しみで塵よりをしている」と笑う人がいるのも、あながち冗談ではありません。



今年は、初めて紙漉きに挑戦する保存会メンバーも仲間入りしました。最初は思うように漉けなくても、手と体が少しずつ覚えていくのが紙漉き。焦らず、楽しみながら続けてほしいと思います。


紙漉きは、例年3月ごろまで続きます。
見学はもちろん、塵より体験も大歓迎です。
冷たい水の中にある、あたたかな人のつながりを、ぜひ感じに来てください。

