岡山天満屋で開催された展示会に出品していた「神代和紙の花」に、福武教育文化振興財団さまが目を留められたことがきっかけとなり、同財団から「福武教育文化賞の受賞者のコサージュを作ってほしい」との依頼が寄せられました。
展示会に出していたのは洋風の花でしたたが、「受賞の場にふさわしいものを」との思いから「慶びが幾重にも重なるように」との願いを込めて、華やかな八重桜を制作することに決めました。
授賞式は2025年10月25日。これまでコサージュを作った経験などなく、その上桜も作ったことがありません。季節は夏。ネットで「八重桜」を検索しては観察を続けました。そして、たくさんのボツ花を作り、ようやく納得のいく桜ができたのは、授賞式まで2週間前でした。

せっかく神代和紙でコサージュを作るのだから、授賞式が終わった後も楽しんで欲しいと思い、ピンは蝋引きの糸で留めるだけにしました。これなら、授賞式後は糸を外して花瓶などに挿して楽しむこともできます。また、枝部分は中に針金を使っており、好きな形に折り曲げることができます。
手漉き和紙は千年もつともいわれます。受賞者の皆さんが、これからも末永くご活躍されるよう願いを込め、和紙の温もりとともに、受賞の喜びを優しく包み込む一輪となれば幸いです。


